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洗浄のプロが教える!金型洗浄機と配管洗浄機の使い分け術
2025年06月16日
製造現場で欠かせない「洗浄工程」。
しかし、金型と配管では汚れの性質も洗浄の目的も異なり、同じ機器や洗浄液では対応しきれないケースが少なくありません。
本記事では、それぞれの洗浄機の特徴と適切な使い分けのポイントを、現場目線でわかりやすく解説します。
迷わず選ぶために、まずは基本の違いから押さえていきましょう。

金型洗浄と配管洗浄、現場で求められる役割は違う
金型と配管では、使用環境も洗浄目的も異なるため、適したアプローチも変わってきます。
それぞれの洗浄に必要な視点をまず押さえておきましょう。
金型洗浄は「精密性と安定品質」が最優先
金型洗浄では、付着物を取り除くだけでなく、微細な汚れまで丁寧に除去することが求められます。
射出成形やプレス加工において、わずかな異物や残留物が製品不良の原因となるため、精密性と洗浄後の再現性が重要です。
超音波洗浄などの非接触洗浄は、金型表面にダメージを与えず、均一な仕上がりが得られるため、品質管理が重視される現場で多く採用されています。
配管洗浄は「詰まり予防とスムーズな流体制御」が目的
配管洗浄では、内部に堆積したスラッジやスケール、油分などを除去し、詰まりや腐食、流量の低下を防ぐことが目的です。
流体がスムーズに流れることが前提となるため、内部の見えない部分にアプローチできる循環洗浄や特殊ノズルによる洗浄が効果的です。
また、定期的な配管洗浄は、設備全体の安定稼働と長寿命化に直結します。
配管内の汚れは、金型とは異なる特性を持つため、専用の機器と洗浄液が必要です。
効果的に、かつ効率よく洗浄するためのポイントを確認しておきましょう。
配管内の汚れに特化した構造で“落とす力”が違う
配管洗浄機は、長くて狭い配管内部までしっかりと洗浄できるように設計されています。
専用のポンプや循環機構を備えており、手作業では届かない場所の汚れも効率的に除去可能です。
洗浄対象が配管であることを前提に構造化されているため、スムーズな作業と高い洗浄性能を両立できるのが特長です。
洗浄液が届きにくい箇所も、自動循環で効率的にカバー
複雑に入り組んだ配管や死角となるエルボ部分など、洗浄液が届きにくい箇所も多く存在します。
専用の配管洗浄機は、洗浄液を自動循環させる仕組みにより、配管全体にムラなく行き渡らせることができます。
これにより、見えない部分の洗浄効果も安定し、洗浄漏れや再汚染のリスクを抑えられます。
詰まり・腐食・臭気を未然に防ぐ“予防保全”の要
配管洗浄は、トラブルが発生してから行うのではなく、定期的な予防保全としての運用が効果的です。
洗浄を習慣化することで、詰まりや流量低下といったトラブルを未然に防げるだけでなく、配管の腐食や悪臭の発生といったリスクにも対応可能。
生産ライン全体の安定運用を支える重要な工程といえるでしょう。
配管洗浄液選定で押さえるべきポイント
洗浄効果を最大限に引き出すには、使用する洗浄液の選定が重要です。
配管材質や汚れの性状、使用頻度に応じて最適な液性を見極めましょう。
配管材質・汚れの種類に合った液性を選ぼう
配管の材質(ステンレス、鉄、銅など)によっては、使用できる洗浄液が限られる場合があります。
例えば、強酸性の洗浄液は銅を腐食させるおそれがあり、アルカリ性が有効なケースもあります。
汚れの性質(油脂系、スケール系、微生物系)に応じて適した洗浄液を選定することで、効率よく安全な洗浄が可能になります。
汚れの種類・配管材質・洗浄頻度を見極めよう
洗浄液の選定では、汚れと材質の相性だけでなく、どの程度の頻度で洗浄するかも考慮する必要があります。
頻繁な洗浄が必要な場合は、刺激が少なく扱いやすい中性タイプの液体を選ぶと、作業者への負担や設備への影響を抑えられます。
逆に、定期洗浄で強力な除去力が必要な場合は、専用の高性能洗浄液を使用するのが効果的です。
洗浄方法に合った液性と希釈タイプを選ぶ
循環洗浄・スプレー洗浄・浸漬洗浄など、使用する洗浄機の方式によっても適した液性が異なります。
また、希釈して使うタイプと原液使用のタイプでは、準備の手間や管理方法にも違いが出てきます。
現場の作業フローや安全管理体制に合った洗浄液を選ぶことで、効率的で安心な運用が実現できます。
まとめ
金型洗浄機と配管洗浄機は、同じ「洗浄」を目的としながらも、求められる性能や運用のポイントは大きく異なります。
それぞれの特性を理解し、専用機や専用洗浄液を活用することで、より確実で効率的な洗浄が可能になります。
現場の課題に合わせた“使い分け術”で、洗浄工程を次のレベルへと引き上げていきましょう。
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